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【書評・要約】ベストセラーコード

平積みされていたのを見てジャケ買いした。

ある本がベストセラーなる確率を算出するモデル(判定機)を作ってみたよ!というお話。専攻がコンピュータサイエンスだったので単純に興味をそそられたのと、テーマとしても(最近のAI本の中では)まともそうと思ったので読んでみた。以前読んで面白かった「シグナル&ノイズ」と同じ訳者だったのでハズレないかなと思ったのもある。

テーマ・プロット・文体・キャラクター

この本の中では、テーマ・プロット・文体・キャラクターという4つの軸で本(物語)を分析している。

超カンタンにまとめると売れる本の条件は「テーマに一貫性があり、ストーリー(プロット)にメリハリがあって、読みやすい文体で、主体性のあるキャラクターが主人公である」ということだ。何を当たり前のことをという感もあるけど書かれてる内容は納得感あった。

文書解析と機械学習を使ってモデル構築をしたみたいだけどそのあたりの話は詳しく書かれていない。あくまでモデルによって出た結果に対して考察をしていく本なので科学好きよりも本好きにオススメ。モデル使って出した各種ランキングもあって楽しめる(ただし全て海外の本)。

これは夢のない話か

売れる本には一定のパターンがあってベストセラーになるかをある程度の確率で機械によって判定出来てしまいました、という話なわけで、ちょっと夢がないなあと感想を持つ人もいるかもしれない。

ただ、普遍的に好まれるものという何にでもあるわけです。それらを定量的に見えるようにすることによって、基本をおさえた上でさらに面白くするにはどうしたら良いのかというより創造的な部分に人間の頭を使うことができるようなる。そういう意味で今まで以上におもしろい物語を作る可能性を広げてくれるモデルだと言えるので、これは夢のある話だと自分は思う。

ちなみにこの本で何度も出てくる「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」と機械が選んだベスト本「ザ・サークル」は速攻で買ったので読む予定。

ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム