厳格なシーク教徒が語る「選択」の力とは
「選択」をテーマにしている著者が、文化的背景が選択にどんな影響を与えるのか、私たちは無意識は選択に影響を与えるのか、選択肢が多いほうが幸せなのか、などなど様々なテーマで「選択」について述べている。
著者のシーナ・アイエンガー氏は、全盲であり厳格なシーク教徒の家庭で育ったが、アメリカの公立学校で「選択」こそアメリカの力だと言われたらしい。
そんなわけで、著者の自叙伝的な感じでいかに「選択」が素晴らしいものなのかを説く内容なのかと思ったら、違った。 過去に行った研究に基づいて、学問的な話をしている。
何を選ぶのか。
選択は人間の本能であり、たとえ既に欲しいものが分かっている状態でも、選択肢が用意されているほうが最終的な満足感は高いらしい。
で、人間はどうやって自分が満足できる選択をしているかというと、それも文化的・宗教的背景によって違う。例えば、アメリカの子供は全部自分で選びたいけど、アジア系の子供は母親が勧めるものを選びたい、みたいな。 アメリカ的な価値観だと「親が決めたものを選ぶなんてー、反自由!不幸!」みたいなことになるけど、それは彼らの価値観であって、それぞれ何が良いと感じるのかは違うのです。
一番興味深かったのは選択肢が多いことが満足度につながらないこと。例えば、ジャムを買うときに24種類から選ぶより6種類から選んだほうが購入率が高い、みたいな。 実際、日常生活でも洗剤とか歯磨き粉を買うときにたくさんありすぎて、もう何でもいいわとなってしまう。そんな細かいことまでいちいち選択したくないのだ。
ザッカーバーグが毎日同じ服をきてるのは、毎日の無駄な選択に大切な時間を使いたくないかららしい。
「選択」を選別するのも、今の時代は大切なのかもしれない。
選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫)
- 作者: シーナアイエンガー,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/07/10
- メディア: 文庫
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