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【書評】本を守ろうとする猫の話|夏川草介

本について考えさせられる本

おじいちゃんが死んでしまって悲しみにくれる主人公がしゃべる猫と一緒に本を守るお話。

本屋を舞台にしたファンタジーなのだけど、本や読書についていろんな視点からの問題提起がある。読書好きな人ほど自分の読書感や本というものについて考えさせられると思う。

書籍市場についての問題提起だと思われるストーリーもあって、著者の中で守りたい読書感や本に対する価値観みたいなものをファンタジーでラッピングして書いたような印象を受けた。

自分の中での「読書」の変化

最近、自分の中での「読書」の変化を感じる。

若い頃は本を読むからにはそこから何かしら知識を得なくてはいけないという強迫観念に似た感情ががあったように思う。本を読む目的は知識の吸収でありそれ以外のなにものでもなかった。

最近はただただ本を読んでいる。そのおかげか読むジャンルは広がり、結果、得られる知識は多くなったのだから読書家のレベルとしてはワンランク上がったのかもしれない。

読書は神聖なものであるみたいな気持ちと、読書は所詮が読書であるみたいな気持ちが混じり合っている今日このごろ、これからもダラダラ読書を続けたい。

本を守ろうとする猫の話

本を守ろうとする猫の話